外傷性脳損傷について

交通事故や転落などにより頭部を打撲して脳にダメージを受けると、損傷を受けた脳の部位が担っている機能障害を生じることがあります。運動麻痺(手足の動きが障害される)、感覚が鈍くなる(感覚障害)ほかに、必要なものに意識を向けたり意識を集中させたりすることができない、会話がうまくできない(失語症)、記憶の障害がある、物事を計画して行えない、などの高次脳機能障害を生じます。

高次脳機能障害は脳血管障害や脳腫瘍などの病気でもみられることがありますが、外傷性の場合は、事故によって頭部に回転が加わることで脳の色々な場所に細かな傷ができて運動麻痺よりも高次脳機能障害が目立ちやすいようです。また、その高次脳機能障害は病気の場合に比べると、複雑に組み合わさって見られることが多いといわれています。外傷性脳損傷による高次脳機能障害をもつ方は、比較的活動的な若年の方が多く、リハビリテーションや社会資源・社会制度が十分に整っていないため、復学や就職・復職が困難で、お家でご家族と過ごされていることが多いようです。これにより介護にあたるご家族の負担の大きいことが報告されています。一方で、当事者の認知機能に影響を及ぼす環境的な要因として、ご家族による支援と受け入れが指摘されています。つまり、ご家族が高次脳機能障害を理解し、適切な対応をとることが当事者のリハビリテーションになるとういうわけです。

このサイトについて

本サイトは、大きく4つの項目から構成されます。

1. 症状チェック
高次脳機能障害は自宅での生活が始まってから明らかになることも多いため、日常生活場面で「おやっ?」と思ったことをチェックしていただくと、それがどんな症状・障害なのか、それに対してどのような対応をしたらよいかを知ることができます。また、チェック内容を出力すると、医師に状態を報告する際に利用できます。さらに履歴として残るため、1年後…数年後に状態を比較することができます。
2. 家族の方へ
家族の方へ:介護するご家族の対応が当事者にとっては大切なリハビリテーションとなります。時々、ご家族ご自身の心の状態を振り返り、調整を図れるようアドバイスを設けました。
3. 相談コミュニティー
当事者・家族会に所属していない方や、所属していてもなかなか定例会に参加できない方に、同じような障害をもつ方のご家族とつながり、介護のヒントを得ていただこうと考えています。利用者のみなさんの中で相談をしたり、されたりという場を作ろうと思います。
4. コンテンツ・ダウンロード
当事者の方のリハビリテーションの一助になれば…との考えから、脳のトレーニング用のドリル(問題)をアップします。日々のトレーニングにご利用いただくほか、年に数回となりますが、解答をご提出いただくと、結果をグラフにしてお返し致します。それにより症状の改善や生活上の課題を把握することができます。

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