交通事故や転落などにより頭部を打撲して脳にダメージを受けると、損傷を受けた脳の部位が担っている機能障害を生じることがあります。運動麻痺(手足の動きが障害される)、感覚が鈍くなる(感覚障害)ほかに、必要なものに意識を向けたり意識を集中させたりすることができない、会話がうまくできない(失語症)、記憶の障害がある、物事を計画して行えない、などの高次脳機能障害を生じます。
高次脳機能障害は脳血管障害や脳腫瘍などの病気でもみられることがありますが、外傷性の場合は、事故によって頭部に回転が加わることで脳の色々な場所に細かな傷ができて運動麻痺よりも高次脳機能障害が目立ちやすいようです。また、その高次脳機能障害は病気の場合に比べると、複雑に組み合わさって見られることが多いといわれています。外傷性脳損傷による高次脳機能障害をもつ方は、比較的活動的な若年の方が多く、リハビリテーションや社会資源・社会制度が十分に整っていないため、復学や就職・復職が困難で、お家でご家族と過ごされていることが多いようです。これにより介護にあたるご家族の負担の大きいことが報告されています。一方で、当事者の認知機能に影響を及ぼす環境的な要因として、ご家族による支援と受け入れが指摘されています。つまり、ご家族が高次脳機能障害を理解し、適切な対応をとることが当事者のリハビリテーションになるとういうわけです。
本サイトは、大きく4つの項目から構成されます。
※本サイトのご利用には一部の機能を除きましてログインID及びパスワードが必要になります。